
院長:橋本お気軽にご相談ください!
急性腰痛(いわゆる「ぎっくり腰」)は、多くが筋・靭帯・関節・椎間板などに「蓄積疲労+急な負荷」が重なり、瞬間的な損傷や炎症が起こることで発生します。


• 背筋群・筋膜・椎間関節・椎間板に微細な損傷や疲労が蓄積した状態で
「前かがみ+ひねり+荷重」「中腰からの立ち上がり」「くしゃみ・咳」などの瞬間的負荷がトリガーになる。
• 椎間関節の関節包や滑膜ヒダ(メニスコイド)が引っかかって“ロック”したような状態(急性facet syndrome)も説明として用いられ、「突然腰が抜けるような痛み」と表現される。
• 筋線維や靭帯の急な伸張→微小な断裂・炎症→反射性筋スパズムで、腰を伸ばせない・一歩も動けないといった状態になる。
日常の「洗面で前かがみ」「床の物を拾う」「靴下を履く」「中腰で荷物を持ち上げる」などの何気ない動作が“魔女の一撃”として患者さんに説明しやすいポイントです。
急性期は「どの組織が主因か」よりも複合要因ですが、臨床・文献的にトラブルを起こしやすいのは以下です。
• 腸腰筋(psoas)
長時間座位・股関節屈曲で短縮しやすく、腰椎前弯の増大や椎間板へのストレスを増やす“隠れトラブルメーカー”。
• 多裂筋・腰部起立筋群(lumbar erector spinae)
脊柱の伸展・安定に関わる深層筋で、疲労や抑制があると瞬間的な負荷でスパズムを起こしやすい。
• 大殿筋・中殿筋など殿筋群
股関節伸展・骨盤安定の主力で、機能低下・過緊張は腰椎・仙腸関節への負担増につながる。
• 腹直筋・腹横筋など体幹前面筋
体幹の屈曲・腹圧保持に関与し、弱化やアンバランスがあると「腹直筋性のぎっくり腰」のような急性腰痛パターンをつくる。
• QL(腰方形筋)や広背筋
体幹側屈・骨盤の“引き上げ”に関わり、ソファ座位・片脚荷重・捻り動作などで過負荷がかかると急性腰痛の一因となる。
機序から逆算して、
「蓄積疲労をためない」「急な過負荷を避ける」「支える筋肉を強くする」
の三本柱が重要です。
1)日常動作・環境
• 前かがみ動作
物を拾う・洗面・子どもの世話などは「股関節と膝を曲げる」「腰はなるべく丸め過ぎない」意識を徹底。
• 荷物の持ち上げ
体幹を捻りながらの持ち上げを避け、荷物を身体に近づけ、膝主導で立ち上がる「ひざリフト」。
• 姿勢・作業時間
長時間座位・立位は30〜40分ごとに立ち上がり、腰・股関節を軽く動かす“マイクロブレイク”。
2)筋・関節のコンディショニング
• 体幹(腹横筋・多裂筋)と殿筋を鍛える軽負荷エクササイズ(ドローイン、ヒップリフト、四つ這いでの対角上肢・下肢挙上など)。
• 腸腰筋・ハムストリング・広背筋・QLなどのストレッチを日課化し、胸腰筋膜の柔軟性を保つ。
• 仙腸関節や骨盤の安定性を高めるトレーニング(中殿筋トレ、片脚立ちバランス)を取り入れる。
3)全身状態の管理
• 冷え対策・体重管理・睡眠・ストレスケアで交感神経過緊張と血行不良の悪循環を防ぐ。
• 既往の椎間板障害や脊柱管狭窄がある場合は、無理な前屈・高負荷トレーニングを控え、専門家の管理下で段階的に強化。

